思わず考えちゃう ヨシタケシンスケ著

 

どうでもいいけど思わず考えてしまうこと

このあいだ、八百屋さんに行きました。今時珍しい八百屋さんが徒歩圏内にあるのです。

その八百屋さんの入口に、三つ葉が大量に並んでいて、大安売りしていました。あの、親子丼の上にちょっとだけのっている、緑色の葉っぱです。

黄色い紙に赤い文字で書かれた「三つ葉 売り切れ御免」という文字を眺めていると、だんだん心配になってきました。「三つ葉ってたくさん料理に使うようなものでもないし、そんなに買う人もいないのでは?」

そもそも何でこんなことになってしまったんだろう。この八百屋さんが間違って大量に仕入れてしまったのだろうか。もしかしてあそこでレジをしている若いお兄さんが仕事を始めたばっかりで間違って仕入れてしまったのかな。それとも日頃から懇意にしている仕入れ先の人にどうしても買って欲しいって言われて、安く仕入れたのかな・・・

結果、その日は全くもって三つ葉を買う予定はなかったのですが、二袋も購入してしまいました。その後数日をかけて、炒めものにしたり、スープに入れたりして難なく消費しました。三つ葉もいろんな食べ方ができるんですね。新しい発見でした。

 

思わず考えちゃう時間=贅沢な時間

このように日常の中で、考えなくてもいいんだけど思わず考えちゃう瞬間はありませんか?

ヨシタケシンスケさんは下手カワなイラストが印象的な絵本作家さんです。普段は子供向けの絵本を作っているヨシタケさん。本書は、ヨシタケさんが日々ノートに描いていたイラスト、ちょっと気になったこと、考えたこと、思いついたことに文章をつけて一冊にまとめたエッセイ本です。

ヨシタケさんの考えることは、一見どうでもいいことのように見えるけど考えてみると奥が深いものだったり、わたしたちがつい通り過ぎてしまっている日常の些細なことだったり、ただ思いついただけだけど「クスッ」と笑っちゃうような、おもしろいものだったりします。

現在のわたしたちの生活は、テレビやスマホを見れば大量の情報が流れてきて、頭の中が常に忙しくなりがちな環境に置かれています。そんな忙しい日常を送る人々にとって、日々の少しの変化を捉えたり、自分の身の回りで起こった些細なことについてゆっくり立ち止まって考えてみるというのは、できそうでできない、贅沢な時間です。

本書に綴られている出来事は「こんなことまで考えてるの?」と思わずびっくりして呆れてしまうようなものもあります。そんなヨシタケさんの頭の中をシェアしてもらって、ちょっと頭をゆるめてみると、毎日がちょっと変わって見えるかもしれません。

 

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ゆる読書会は女性対象の無料オンライン読書会です。毎週水曜日開催。時間帯は海外在住の方にも参加していただけるよう、さまざま設定しています。

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Written by げんだちょふ(日本)