男の子2人を持つオランダ人ワーキングママに働き方・子育て・人生など聞いてみた(後編)

9歳と7歳の男の子のママであり、法人営業マネージャーとしてドイツ系製薬会社で働くオランダ人のローラに働き方や子育て、人生について聞いてみました。前編中編はこちらから。

ローラ・ファンルーラー:ドイツ系製薬会社法人営業マネージャー
家族構成:夫、長男9歳、次男7歳

 

息抜きはどうしてる?

私:ところで、ナイトアウトしたりする?(※Night outはいわゆる飲み会。日本の飲み会と違うのは、夕食を家族で食べた後大人だけで飲みに出かける点。もちろんディナーから食べて飲んで楽しむこともあります。その間子どもは夫婦のどちらが見ているか、夫婦で出かける場合はベビーシッターを雇うのが一般的。)

ローラ:もちろん!

私:どのくらいの頻度で?

ローラ:うーん、1ヶ月に2回くらいかな。夫と一緒に友達夫婦と行く時もあれば、私だけで他の友達と行くこともある。もちろん夫婦だけで行くことも。やっぱりナイトアウトは必要よね。

私:私はベビーシッターを雇ってまでナイトアウトに行くというのは、ちょっと罪悪感を感じちゃうんだよね。

ローラ:どうして?罪悪感を感じる必要なんてないのよ。たまの息抜きは必要だもの。

私:そうよね。なんで罪悪感を感じちゃうのかなー。

ローラ:まぁ、気持ちは分かるけど、罪悪感なんて感じることはないのよ。ママがハッピーでいることが家族のハッピーに繋がるから。

私:そうだね!もっとナイトアウトしちゃうかな。でも、体力に自信がないかも…。

ローラ:女の人生は40歳からって言うよ。

私:あ、それ、うちの母も言ってた!(笑)

 

大事な日に限って子どもが熱を出す件について

私:ところで、前から不思議に思ってることがあるんだけど、聞いてもいいかな?

ローラ:もちろん。

私:子どもって、キャンセルできないような大切な仕事がある時に限って熱出したりしない?

ローラ:あー。

私:私なんて数ヶ月に1回くらいしかそんな日はないのに、先週まさにそれで。予防接種の翌日だったから、その副作用で熱が出ちゃったみたいなんだよね。幸いひどくなかったから、学校には少し遅れて行けたんだけど。

ローラ:そういうことあるよね。私は2回あるかな。ティモが1回、イェッセが1回。

私:すごく少ないね!

ローラ:子どもが健康で恵まれてるわね。でももしそうなって、家族の誰も都合がつかなかったら、仕事はキャンセルする。優先するのは子ども。子どもが一番大切。

私:そこまで言い切れるのはすごいと思う。もちろん仕事も子どもを育てていくためにとても大切だけど、母親の代わりはいないものね。

ローラ:その通り。

私:「優先順位」というのもキーワードになるかもね。

ローラ:そうね。そういえば、仕事を決まった期限内に終わらせるためにも、「優先順位」はとても大切。

私:だからオランダ人の働き方は効率が良いのね。自分が何を大切にするかはっきり決めているから迷いが少ないのだと思う。

 

将来・人生について

私:ところで、オランダ人がリタイアするのは何歳くらい?

ローラ:法律的には、67歳ね。昔はもう少し早かったんだけど、社会を支えていくために定年が延期されたの。

私:国民から不満の声は上がらなかった?

ローラ:もちろん反対する人もいるけど、そうしなければ仕方ないものね。それに、あまり早くしても退屈じゃない?私は働ける限り働き続けていきたいわ。

私:何か将来の夢とかある?

ローラ:宝くじに当たるのもいいなあ。それは、ジョーク(笑)いつか自分のビジネスを立ち上げたいという夢は持ってる。

私:どんなビジネス?

ローラ:組織改革のコンサルティング。会社やある組織の無駄なヒエラルキーを取り払って、よりフラットな組織にしていくような。前職や今の仕事を通して得た知識があるからそれを活かしていきたい。

私:あなたならきっとできると思う。

ローラ:ありがとう。

私:それでは、今日は本当にありがとう。オランダ人ママの働き方という観点から、とても興味深い話が聞けたと思う。話しながら、3つのキーワードが浮かんできたよね。「柔軟性」「サポート」「優先順位」。文化も習慣もまったく違うオランダと日本だけど、女性が結婚して子どもを持っても仕事を続けていくためのヒントになると思う。すぐに男女平等とはならないかもしれないけど、少しでも女性が子どもを持っても働きやすい環境ができていったらいいな。

ローラ:そう、男女平等が理想的だけど、それぞれの役割の違いがあるのも分かってる。オランダの女性だって、今も戦ってるのよ!労働のシェア、家事のシェア、子育てのシェア。

私:そうやって、意見を持って伝えていくのはすごく大切だよね。改めてそう思う。ローラがインタビューに答えてくれたお陰で、オランダ人の働き方や母親としてどのように仕事を続けているのか少し見えてきたと思う。本当にありがとう!

ローラ:どういたしまして!

Written by 藤村ローズ