マレーシアのラマダン期間ならではのお楽しみ 【前編】ラマダンビュッフェ

5月6日から6月3日まで、約1か月にわたるラマダンがはじまりました。

ラマダンとは、イスラム教にとって信仰心を高める修行のひとつ。日の出から日没まで、日の出ている間は一切の食べ物と飲み物を口にすることができません。また、断食だけでなく、この期間の日中は、喫煙、性行為、不適切な言動、けんかなども禁じられています。

ムスリムにとって、断食を行うことにより、自分の欲望をコントロールすることが精神の鍛練になったり、貧しい人の環境を身に染みることができる貴重な期間とされています。日頃より多くお祈りに時間をかけ、寄付や施しをすることも多くなります。

さて、こんな神聖なラマダンですが、この時期ならではの食べる楽しみが2つあります。一つはラマダンビュッフェ。もう一つはラマダンバザールです。2回に分けてそれぞれについてレポートします!

 

ラマダンビュッフェ

ラマダンビュッフェは、マレーシア中のほぼすべてのホテルと、一部のレストランでこの時期行われる、ビュッフェディナー。伝統マレー料理の数々がならび、いつもより内容が豪華で、お値段もいつものビュッフェよりちょっと高級。(¥2500-6000くらいのところが多い。)

ラマダン中は日没後に食事をとることができるので、家族や仲間とホテルでディナーを楽しみます。友人に聞いたところ、通常、1か月の間に4回くらいホテルのラマダンビュッフェを楽しむとのこと。毎週1回、ホテルの食事ってかなり豪華。

彼らにとって、ホテルでのラマダンビュッフェは家族や友人と祈り祝う、素晴らしい時間を共有する特別な時間だそうです。家族一同や、会社が社員を連れて大勢で来ることもあることから、ホテルにとっては、この時期はかきいれどき。たくさんのホテルの中から選んでもらうために、魅力的な料理をたくさん用意します。

通常、日没後の食事では、長い空腹期間の後食事をするので、胃腸に負担がかからないように、ゆっくりと血糖値を上げるように、まず最初に甘いジュースなどの水分をとったり、ミネラルと栄養がたっぷりのデーツを食べ、それからお粥をたべたりして慣らしてから、通常の食事をとります。

日没少し前から会場に来て料理をとり、着席して待ち、決められた日没の時間に流れるお祈りに合わせて、皆もお祈りをしてから一斉に食べ始めます。

ムスリムではない私たちも、ラマダンビュッフェでは、いろいろな種類のデーツを食べ比べすることができたり、お祈りの神聖な時間に立ち会え、そしてさまざまな種類のマレー料理を一度に味わうことができるので、マレーシアを知るのにとてもよい機会です。

 

今回私が訪れたホテル「RAMADA MERIDIN JOHOR BAHRU」は、レゴランドのすぐそばにできた新しいホテル。
スタイリッシュで明るく心地の良いホテルです。ラマダンビュッフェが行われている「Delish Restaurant」は、プール脇にあり、外の緑とプールのコントラストが美しく見えるレストラン。

ここで、店内だけでなく、外のスペースと廊下にまで食べ物や飲み物、フルーツのコーナーが続きます。私はこれまでも他のホテルのラマダンビュッフェを訪れたことがありますが、今回、ものすごい種類の料理の数々で、ちょっと驚きました。後からメニューリストをいただいたら、ずらっと3ページにも連なる料理名。伝統的なマレー料理はほぼ全種類いただけるのではないかと思うほどです。

羊の丸焼きは、焼きあがった後、食べやすくカットされ、さまざまなソースを自分で選んでかけることができます。海鮮のバーベキューや、ラムの骨髄を楽しむスープや、ジョホールの名産である、パスタ麺に魚のミートソースをかけていただくジョホールラクサ、もちろん串焼きのサテーなども。デザートは、トロピカルフルーツアイスクリーム、伝統的なカラフルなデザート、洋風のケーキ、タロイモのパイやドリアンフライなども。

とにかくものすごい種類なので到底全種類を制覇することはできないのですが、どれも相当おいしかったことを記しておきます。マレー料理は辛い料理が多いのですが、辛みのない品揃えも多かったので、お子さんも楽しめるはず。

また、今回、メディアの友人たちと同席したのですが、彼らはかなりたくさんのホテルのラマダンビュッフェを経験済みなので、どこが本当においしいのか、おすすめなのか聞いてみました。すると、皆一同に、このラマダホテルのビュッフェはベスト3に入るほどよいとの高評価。

ビュッフェと食事がついたパッケージプランは、ダブルルームで2名でRM320(訳¥8700)とお値打ちです。

RAMADA MERIDIN JOHOR BAHRU
http://www.ramadameridinjohor.com/
Delish Restaurant
ラマダンビュッフェ 18:30-22:30
予約:+60-7531-8888
info@ramadameridinjohor.com

【後編】では、もっと身近なお楽しみ、ラマダンバザールについてご紹介します。5月17日(金)の公開です!

Written by 土屋芳子