暑い!長い!ブラジルの真夏のクリスマスと国民的イベント事情

ブラジルの真夏のクリスマス

皆さん、こんにちは。ブラジル・サンパウロ州に住むMariです。

気温は32度。ご存知の通り、南半球のクリスマスシーズンは夏!ブラジルも勿論、真夏です。

11月後半から街のあちこちでデコレーションが施され、関連グッズが売り始められます。と、同時に気温はグングン上がり、どう考えても違和感があります。

ブラジル人に言ったら「生まれた時からクリスマスは夏だったので、別に〜〜」って。そりゃそうですけれど、クリスマスの物って、もふもふした感じの物が多くて、どう見ても冬のイメージ。

お馴染みのショッピングモールには大きなクリスマスツリーが置かれています。脇では、サンタクロースと記念撮影ができるとあって、週末は子供達の長蛇の列ができていました。

他の南半球の国では、サーフィンしているチャーミングなサンタクロースのイラストなんか見たことありますが、ブラジルのサンタさんはコンサバティブな赤い冬服を着ていて、あまりオリジナリティはないですね。

一方、なぜか「アフリカ」をテーマにしたクリスマスデコレーションを展示しているモールもあります。

煌びやかなイルミネーションや飾り付けに混じって、ライオンやキリンの巨大ぬいぐるみが飾られています。

写真には写っていませんがなぜかパンダもいて、完全に間違っていますが、とにかくどこの国もクリスマスはワイワイ派手にお祝いしたいということでしょうか。

それでも、ブラジルはイタリアなどと同様、カソリックの国ですから、単にお祭り騒ぎするだけではなく、宗教的な意味合いの飾り付けも、あちこちで見受けられます。

教会の脇には必ずプレゼッピオ(presépio)と言う、キリストの生誕を表したジオラマが飾られます。信者にとっては、クリスマスツリーよりもこちらの方がむしろ大切な様です。

キリストや聖母マリアの他にも天使や牛飼い、そして当時の生活を表す様々な人形が、聖書の中のシーンを再現するように配置されています。

これは、日本ではあまり目にすることがなかったので、初めて見たときは、珍しさと何とも言えないノスタルジックな雰囲気に息を飲みました。美しさと不気味さの狭間。

 

この時期は特にスリや泥棒にご注意、その理由は…

こんな敬虔な一面もあるブラジルのクリスマスシーズンですが「この時期は、特にスリや泥棒に気をつけてね」と、ブラジル人の友達に言われました。まあ、年末年始はなにかとねーと思っていたら、なんとびっくりするブラジル特有の理由がありました。

誰もが家族と一緒に楽しむクリスマスに一人寂しくすごすのは、いくらなんでも可哀想すぎる〜〜という理由から、犯罪者でも一時的に刑務所から家へ帰ることを許されているそうです。もちろん、軽犯罪を犯した人に限られる様ですが、それにしても「悔い改め」れば、罪は赦されてしまうのか?

当然ある一定の人数は、二度と刑務所へは戻ってこない様ですが、友達曰く「刑務所、混んでるからね、ちょうどいい」とか。そうですか、クリスマスシーズンは、いつにも増して注意を払って過ごさなくちゃ!

 

このシーズンに欠かせないパネトーネ

ウキウキ、わくわくのこのシーズンに欠かせないのが、パネトーネ(panentone)。ドライフルーツやチョコレートなどが中に入った日持ちするケーキです。

ケーキと言っても、発酵したパン生地で作るお菓子で、元々、イタリア移民がブラジルへ持ち込み、クリスマスイブに食べる習慣となりました。

クリスマス前になるとスーパーにはパネトーネの箱が沢山並び、誰もがたくさん買って親しい人に配るのです。私も、日頃お世話になってる人たちに毎年配ります。

パネトーネを貰った時のブラジル人の笑顔は、まるで日本でお年玉を受け取った時の子供達の顔のよう。どの国も、伝統的なプレゼントはほっこりしますよね。

 

クリスマスが終わっても止まらないブラジル人のホリデームード

それでも、とにかくブラジル人は12月に入ったら落ち着きません。何かにつけて「クリスマスだから〜」と言って、特別な時期であることをアピールします。

学校もクリスマスの前の週辺りから早めに休みに入る事はもちろん、習い事教室などもサッサと休みます。月謝を払って、基本月に4回通う事になっているダンスクラスも、クリスマスの前の週から休みます。

結果、12月は2回しかレッスンが無くても、誰も文句は言いません。えっ〜月謝払ったのに!と憤慨しているのはアジア人の私だけ?

しかも、この休み癖(?)はクリスマスが終わっても止まりません。

ブラジル人にとって新年は普通の祭日なので1月1日以外は仕事へ行きますが、彼らにはその後に最も大きな国民的イベントが控えています。2月の終わり頃の5連休、カーニバル休暇です。

カーニバル休暇については、また2月か3月に書きたいと思います。なんとリオのカーニバルを観に行くんです!みなさん、楽しみにしててくださいね。それでは、Feliz Natal (メリークリスマス)

Written by 岩井真理(ブラジル)